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The Japan-US Science Forum in Boston 開催報告

UJA戦略企画室 北原 秀治


2019年11月2日、米国ハーバード大学にて4回目の“The Japan-US Science Forum“を開催いたしました。

UJAからは本フォーラムを立ち上げた川上、北原、森岡と第2回から参加の星居、松居が運営メンバーとして参加いたしました。

本フォーラムは、ボストン在住の日本人研究者およびUJAメンバー、日本学術振興会 (JSPS) ワシントン研究連絡センターによって作り上げられたサイエンスフォーラムです。“Changing the World through Japan’s Scientific Endeavors”と最初に銘打ったこのフォーラムの真の意義は、年々減少する在米日本人研究者が、逆風に負けず、世界に日本の研究者のレベルの高さを証明すべく、そして世界における日本の科学技術のプレゼンスをあげるという使命を果たそうと、作り上げたものです。今回はナノテクノロジーを取り上げ、NIHと東京大学から講演者を招待し、おおいに盛り上がりました。


本フォーラムの最初の基調講演には、米国国立保健研究所(NIH)の小林久隆博士をお招きしました。


小林先生が開発した「がん光免疫療法」には2つの革新的な効果があり、1つは近赤外光線を照射すると反応する物質と、特定のがん細胞に結びつく性質がある抗体を結合させた薬を体内に注射し、近赤外光をあてるとがんに集まった薬と光が反応し、がん細胞の細胞膜が破壊されるというがん細胞自身をターゲットにした治療法です。2つ目は、体が保有する免疫細胞の活性化で、癌治療を邪魔している免疫細胞に特定の抗体を結合させ、近赤外線を当てて破壊し、がん細胞の近くにいる良い免疫細胞を活性化させ、がん細胞を攻撃させるという治療法でした。この「がん光免疫療法」は今後の臨床応用が非常に期待できる治療法です。


本フォーラム2人目の講演者は、ナノテクノロジーで有名な東京大学生産技術研究所の竹内昌治教授です。


竹内教授は、ナノテクノロジーを用いて筋肉の細胞を培養し、人工の培養肉を作ることに成功しています。また、ヒトの汗の匂いに反応する蚊の嗅覚センサーを人工的に再現し、移動ロボットに搭載、匂いに反応して動かすことに成功したというお話でした。今後はこのテクノロジーを用いて、食糧問題をはじめ、災害現場などで不明者を探すセンサーへの応用が期待できるということでした。


2020年11月には同じくハーバード大学にて第5回目が開催されます。2021年開催予定(2020年3月26日現在)の東京オリンピックにむけて、スポーツに関する話題を取り上げる予定ですので、ぜひ皆様で応援していただければと思います。

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