国や研究分野の壁を越えた研究者の連携が生み出す「うねり」研究者コミュニティ連絡会の開催報告

UJAコミ連部

高田 望、赤木 紀之、田中 仁啓、土肥 栄祐、松居 彩、河島 友和、河野 龍義


2020年11月20日に、日本大使館、領事館、科学技術振興機構 (JST)などの後援と協力をいただき、世界中(アメリカ、日本、オーストラリア、中国)の日本人研究者コミュニティ関係者(32コミュニティより44名)に参加していただき、第1回UJA研究者コミュニティ連絡会を開催しました。



UJAは、世界中の50以上の日本人研究者コミュニティに、留学体験記、研究者インタビュー、「UJA Gazette」などを通して、海外留学情報を提供し、研究者の家族を支援し、「Japan X Science Forum」「留学のすゝめ」「UJA論文賞」などのイベントを通して、異分野間のネットワーキングを促進する場を提供しています。



「研究者コミュニティ連絡会(通称コミ連)」は、UJA運営メンバーが、「より良い研究者コミュニティ作り」と「コミュニティ間の連携促進」を目指し模索して生まれました。「ミカン」に発想を得たロゴには、研究者“コミ”ュニティ“間”を繋ぐという想いが込められています。



コミ連は、Zoomで開催し、参加者の自己紹介ページの作成、資料の配布、Zoomの登録名を「名前と所属先」にしてもらうなど、短いミーティングの中でお互いの認識を高める工夫をしました。コミュニティ代表者のみなさんより、それぞれのコミュニティの特色ある活動を紹介してもらいました。参加者のみなさんは、Zoomのチャットで活発にメッセージのやり取りをしており、会の手応えを感じました。パンデミックCOVID-19でのコミュニティ活動状況など、各地から様々な近況とノウハウが共有されました。懇親会では、「長期海外滞在者との関わり方について」や「セミナーを開催した際の参加者の偏りについて」などについて、参加者の経験談やエピソードを交え、白熱した話し合いをしました。世界各地より100名の方が参加しているSlackで、世界中のコミュニティのみなさんと引き続き議論したいと考えています。


運営者へのインタビュー


河野龍義さん(第1回コミュニティ連絡会運営委員長)


今回開催した意義としては大きく3つあります。


(1)各コミュニティが連携して支え合うような仕組み作りが急務であること。


日本人が海外生活する上で大きな支えである各地域のいくつかのコミュニティが幹事の緊急帰国などにより活動停止を余儀無くされており、引き継ぎも難しく地域レベルでの交流が分断されていると報告がありました。特にパンデミックの中で運営に成功しているコミュニティから運営のコツや仕組み、問題解決の取り組み、オンラインイベントの工夫などを広く共有していただきたいということが1つです。


(2)研究の国際競争の中で分野横断的な研究の価値が高まっていること。


UJAの実績の一つ、「Japan X Forum」および「Japan XR Science Forum」では誰でも無料参加できる開かれたプラットフォームの中で幅広い分野横断的なイベント開催に成功しています、これをスタート地点と捉え、科学の発展に貢献できるイベントを「点」で終わらせるのではなく、より多くの研究者団体、ビジネス界のリーダー、政府機関の代表者にお集まりいただき、開かれたミーティングの中で「線」として結びつけていきたいという思いがあります。


(3)UJAと連携して新しい取り組みを行うのに最適な時期であるということ。


アメリカ大統領選挙に先立ちUJA会長選挙により足立会長が誕生し、新旧リーダーが一体となって活動が大きく活発化しました。未来を切り拓いていく「うねり」が起きつつあります。この機会にぜひ各地域の団体の皆さんと協力して研究者の連携を強め、「参加者全員がフラットでオープンな関係性」を続けて行くことで国や研究分野の壁を越えた関係性を築きたいと思いました。ロゴになったミカンの木で例えると「研究者同士が繋がることで太い幹、大きく広がる枝葉と根を形成して、そこに民間企業、政府機関からの光と水が注ぎ込まれることで多くの実りが生まれること」を期待しています。



田中仁啓さん(コミュニティ連絡会WG Chair)


この度、コミュニティ連絡会working group (WG)(以下コミ連)のChairに選出されました、ノースウェスタン大学予防医学教室の田中仁啓と申します。みなさん初めまして。私自身がコミ連の活動に興味を持ったきっかけは、2019年に米国中西部で行われた4州合同の日本人研究者の集いに参加したことです。そこで自分の専門分野とは全く違う分野の最新研究に関して学ぶことができ、数多くの友人も作ることができました。このように、コミュニティ同士がより深く繋がることで、最新の知識を共有でき、共同研究を含めたコラボレーションの可能性が広がることを実感しました。コミ連はまだ立ち上がったばかりのコミュニティ代表者の集会ですが、今後ヨーロッパやアジアのコミュニティの把握、コミュニティ間の連携強化、新規コミュニティ立ち上げサポート等を少しずつ進め、海外日本人研究者の研究環境を少しでも改善できるよう取り組んでいきたいと思います。



土肥栄祐さん(コミュニティ連絡会WG Vice Chair)


この度、コミュ連での活動をお手伝いさせて頂く機会を得ました土肥と申します。数年前から続く変化の流れが、コロナ禍により加速し、研究者の生き方も多様になっていく流れを強く感じています。お役立ち情報、助け合い、仲間探し、場合によっては予想外の出会い、を得ることが出来て、また皆さんのニーズが反映される“場”、を一緒に作り上げて、挑戦する方々のサポートが出来れば幸いです!諸先輩方や皆さんからお助けを頂きながら、私も挑戦して参りますので、よろしくお願い致します!



松居彩さん(コミュニティ連絡会WGアウトリーチ)


この度、コミュニティ連絡会のアウトリーチを担当させて頂くこととなりました。第1回コミュニティ連絡会では、各コミュニティの取り組みや工夫、試行錯誤されている話など、それぞれの国や地域の事情を踏まえながら情報共有できる場が提供できたと思います。また、1つの悩みや疑問に対して、必ず答えや提案が得られる場でもあったと思います。コミュニティを運営されている方々の生の声を聞き、情報共有することの重要性を再認識したと同時に、コミュニティ同士の連携促進を図り多様性を広げる、新たなコミュニティを作るサポートなど、「コミュニティ連絡会だからこそできること」に可能性を感じました。すでに今後の活動について活発に話し合っていますが、まずは多くのコミュニティにとって、ご参加いただいている方々にとって、コミュニティ連絡会が身近な存在となれるよう一歩一歩取り組んでいきたいと思います。



河島友和さん(コミュニティ連絡会WG財務・運営)


20年近く海外で生活していますが、自身の所属先の枠を超えた日本人会や日本人研究者会にきちんと参加したことはありませんでした。知人を介してUJAを知り、その理念に共感して参加したのがきっかけで多くの方と知り合うことができ、そして今回の研究者コミュニティ連絡会への参加とつながっています。これまで日本人コミュニティの外にいたという体験と、アメリカ、アジア、ヨーロッパと渡り歩いた経験をフルに生かしながら、コミュニティのみならず個々で奮闘されている日本人研究者が気軽に繋がることのできる場を作り上げたいと思います。どうぞよろしくお願いします!




新役員のコミュニティへの想いを起爆剤に『コミ連』というUJAの新事業が動き出しました。顔合わせを兼ねた今回のミーティングでは、コミュニティ紹介や共通の問題点の議論を通して、今後の方向性・改善点などを見出すことができ、強固なネットワークを作るための大きな収穫となりました。


今後は、アメリカだけでなく、ヨーロッパやアジア・オセアニアでのコミ連の開催を予定しています。興味のあるみなさんは、ぜひ、ご参加ください。


最後に、参加者の皆様と後援・協賛・協力を頂いた皆様に感謝いたします。



後援:在アメリカ合衆国日本国大使館、国立研究開発法人科学技術振興機構 (JST)、インディアナ日本人会

協賛:Eureka Science School

協力:在シカゴ日本国総領事館、羊土社

運営に関わったUJAメンバー:赤木 紀之(福岡工業大学工学部)、川上 聡経(Massachusetts General Hospital/Harvard Medical School)、河島 友和(ケンタッキー大学)、北原 秀治(東京女子医科大学/早稲田大学)、久保田 恵里(株式会社メディプロデュースCEO) 、河野 龍義(Indiana University)、小林 沙羅(サイエンスイラストレーター)、高田 望(ノースウェスタン大学)、田中 仁啓(ノースウェスタン大学)、土肥 栄祐(新潟大学脳研究所)、松居 彩(Massachusetts General Hospital/Harvard Medical School)、水田 勝利(University of Florida)、渡邊 大輔(ミシガン大学)