コロラド大学日本人研究者会(CJRG)の活動と展望

コロラド大学

山内 丈史

写真1:コロラド大学の「Building 500」

コロラド大学皮膚科で博士研究員をしております山内と申します。2018年9月から同教室でアセトアルデヒドによる悪性黒色腫の誘発に関する研究を行っております。今回は、私の所属しているコロラド大学日本人研究者会(CJRG)の活動状況と今後の展望について報告したいと思います。


CJRGについて

写真2:コロラド大学から見えるロッキー山脈

まずはじめに、簡単にCJRGの紹介をさせてください。CJRGは、コロラド大学Anschutz medicalキャンパス(以下CU)の日本人博士研究員が中心となり発足した団体です。Anschutz medicalキャンパスは、コロラド州都デンバーの東の町オーロラにあり、デンバー中心部から車で30分の距離と比較的アクセスがよい所にあります。このキャンパスは1918年に病院として建てられ、2度にわたる世界大戦中には陸軍病院として使われました。心臓病を患ったアイゼンハワー大統領が、この病院で治療を受けたという歴史があります。病院は1999年に閉鎖されましたが、コロラド大学が土地を買い取り、現在は医学薬学系キャンパスとして多くの学生が学び、医療関係者と研究者が働いています。


CJRGの特徴として、

(1)医学系を中心とする研究分野の医師、研究者が所属している、

(2)留学期間が2-3年と比較的長い人が多く、交流を長く続けられる、

(3)研究や生活で困った時に相談に乗ってくれる人が多い、

が挙げられます。


CJRGは毎月最終金曜日に開催し、毎回メンバーが持ち回りで勉強会や研究報告、学会発表のための予演会などを行っています。会終了後には、大学近くのBarで飲みながら、仲間と語り合います。(写真1、写真2)



新型コロナウイルスによるロックダウン中の活動


コロラドでは2020年3月中旬からロックダウンが始まり、約3か月間飲食店や食料品店の休止や入場制限、CUでも大学の休校、研究室への出入りが制限されました。


2021年6月現在も、全世界で猛威を振るっているCOVID-19ですが、アメリカでは他の国に比べて早くワクチン接種が開始され、現在コロラド州ではワクチンを1回以上打った人が人口の50%を超える約320万人となりました。新規感染者数も400人/日程度と一時期と比べ減少してきています。それに伴い、マスクの着用義務やソーシャルディスタンスの撤廃など、徐々にですがコロナ禍前に戻ってきた印象を受けます。


しかし、国立公園などは依然として入場制限が続いており、コロナ禍前と同じように気軽に観光することはできません。(写真3)

写真3:ロイヤル·ゴージ·ブリッジ

CJRGの活動もロックダウン中は休止していましたが、Zoomを使用したオンライン形式で活動を再開しました。


残念ながら、任期を3月末に終えて日本へ帰国する人が多く、留学予定だった人が渡米キャンセルになるなど、15人ほどいたメンバーが半数の7人まで減少し、一時は解散危機を迎えました。


しかし、新たに留学してきたメンバーや、日本帰国後も参加してくれるメンバーのお陰もあり、以前のように活気のある勉強会を行うことができています。


これからのCJRGの展望


コロラド大学内には、CJRGの存在を知らずに留学してくる人が多いので(私も留学最初はそうでした)、まずはコロラド大学内、コロラド州内の大学にいる日本人研究者に対する知名度をあげることで、会の活性化を図りたいと考えています。そのために、SNSの活用やUJAの活動を通してコロラドへ留学してくる研究者へアピールすることで、CJRGへの参加者を増やし、毎月の勉強会にもCJRG以外の研究者を招いた招待講演を行うなど、コロラド以外の日本人研究者団体との交流も深めていければよいと考えています。


新型コロナの影響で直接会える機会が少ないからこそ、オンラインでの交流を活発にし、さらなる会の発展を目指していきたいと思います。



最後に


新型コロナウィルスによるロックダウン期間中は、今までの生活のありがたみを感じる苦しい時期でした。コロラドは他州と比較して新型コロナウイルスの影響は小さかったと思いますが、暴動やアジア人へのヘイトスピーチが少なからずありました。ワクチンが普及し、人々の活動がコロナ禍以前と同じようになってきたことは喜ばしいことですが、より強力な変異種の発生の可能性もあります。まだまだ予断の許さない時期が続きますが、もう少しの辛抱と割り切り、この困難を乗り越えていきたいと思います。



謝辞


この度、貴重な執筆の機会を頂きましたUJA理事の森岡和仁さん、UJAコミ連部の田中仁啓さん、またUJAと出会うきっかけをくださった白石和輝さんに感謝申し上げます。



著者略歴


山内 丈史。2013年岐阜薬科大学薬学部薬学科卒業。2017年東北大学大学院医学系研究科博士課程修了。2018年コロラド大学皮膚科ポスドク。連絡先:takeshi.yamauchi@cuanschutz.edu