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シリコンバレーより可能性へのエールを送り続けるJapan Bio Community

Japan Bio Community 代表/AbbVie

赤松 謙子


はじめに


Japan Bio Community (JBC)は米国認可の非営利団体でサンフランシスコベイエリアを中心とした、いわゆるシリコンバレーを拠点に活動しています。起業家、投資家、企業、大学同士のつながりから、ベンチャー企業や新しいビジネスが次々と生まれる土壌があり、それがまた優れた人材・技術・資金を呼び込み発展を続けています。バイオ関連では、スタンフォード大学、UCバークレー、UCSFなどのアカデミックな研究機関だけでなく、バイオテクノロジー、ライフサイエンス、医薬、医療・研究機器関連企業などがイノベーションを生みだしています。


JBCは、数ある海外コミュニティの中でも他にないユニークさで知られています。国内外の日本人研究者に多様な進路選択を提示したり、実現可能性へエールを送り続ける存在であり続けるために、現在は7人のプロフェッショナルなオーガナイザーで積極的に活動しています。



発足までの経緯


JBCは、2002年にサンフランシスコベイエリアの日系フリーペーパーのクラシファイド欄に掲載された小さな記事から始まりました。当時、アカデミアの留学生を中心としたサイエンスセミナーグループは存在しても、バイオ関連企業で仕事をしている社会人や留学後にアメリカの企業への就職を考えている研究者等を幅広く対象としたコミュニティは存在しませんでした。


「情報交換できる仲間を見つけたい」という一人のサイエンティストの小さな一歩から始まった集まりは、2005年には米国認可の非営利団体として正式に登録され、多くのボランティアに引き継がれながら現在に至っています。



主な活動内容

対面でのイベントの様子。参加者が議論に参加しやすい雰囲気を大切にしています。プロフェッショナルなメンバーも多いので、会場からの質問に参加者が答えてくださることもしばしばです。

JBCは、バイオサイエンス、バイオビジネスに関わる・興味のある人たちが、分野、専門、出身、年齢などに関係なく情報交換できる、気軽に経験や悩みを分かち合える交流の場となることを目指した活動を行っています。


具体的には、就職事情やビザ問題、最新のテクノロジー、様々な経験談などを語らうフォーラムや交流会などのイベントを年に数回主催しています。メンバーの利益となり得る情報であれば、求人の案内や他団体イベントの配信も常時行っています。



JBCフォーラムでこれまでに取り上げたトピックの一例として、毎年発表されるライフサイエンス系の年間トップニュースについて独自の切り口で議論するイベントや、アメリカで就職や転職するノウハウに特化したフォーラム、日本人が苦手とする昇進や報酬に関する交渉術のセミナーなどを開催してきました。バイオビジネスの裏話や経験者の実話を日本語で直接聞ける機会は滅多にないため、グローバルに働く多くのメンバーから好評を博しています。

イベント後のネットワーキング風景

さらに、2-3ヶ月毎にバイオカフェと称して地元のオープンカフェに集まって定例交流会を行なっています。特にテーマを設けず、20-30人が自由に自己紹介をしたり近況報告をする場になっています。


COVID-19による外出制限期間中は、オンラインコミュニケーションツールであるGather.Townを使ってオンライン交流会を開催していました。日本や東海岸からの参加者もあり好評だったので、これからも時々オンライン形式でのセミナー等開催していく予定です。


2022年からは対面でのバイオカフェを再開しました。最近では、バイオテック系スタートアップが集うインキュベーター施設であるMBC Biolabsで開催するようになり、イノベーションの本拠地で情報交換の促進を図っています。


2019年までは夏のBBQ大会をメンバーの家族や友人も含め毎年100人規模で開催し、地域のバイオ系日本人コミュニティの交流に貢献してきました。スイカ割り、水風船、ドーナツ食い競争など家族向けゲームも満載で、毎年楽しみにしてくれていたメンバーも多くいました。パンデミック後は飲食を伴う大規模イベントの開催は控えてきましたが、来年から再開できればと期待しています。


夏のBBQ大会
ドーナツ食い競争

サンフランシスコベイエリアにはビジネス系の日系コミュニティも多く存在しており、これまでにJABI-SV (Japan America Business Initiatives-Sillivon Valley)やKEIZAI Silicon Valleyと合同イベントを開催し、メンバー間のそしてコミュニティ間の、横のつながりにも貢献しています。


 

今後のJBC


2020年よりオンライン開催にいち早く対応したことで、日本や東海岸を含むサンフランシスコベイエリア外のメンバーのニーズにも応えられるようになりました。JBCでは今後も米国西海岸以外のメンバーも参加できるオープンなオンラインフォーラムと、地元メンバーとの対面のイベントの両方を大切にしていきたいと考えています。


20年前にサンフランシスコベイエリアのごく数人から始まった集まりは、今や850人を超えるメンバー数を誇る団体に成長しました。シリコンバレーは日本にいつでも帰れる近さでありながらグローバリズムを肌で感じ取れる地域です。失敗を恐れずイノベーションに果敢に挑戦する人々のために、JBCでは今後も発足時の初志を大切にしつつ、グローバルに働くバイオ、ライフサイエンス系プロフェッショナルの支えになっていきたいと思います。興味のある方はこちらからお申し込みください。



謝辞


この度、執筆に機会を与えてくださったUJA理事の森岡さん、取り次いでくださった上原さんと執筆と校正に協力してくださった現JBCオーガナイザーの皆様に感謝いたします。



著者略歴


赤松 謙子。神戸大学理学部卒業。京都大学理学博士。京都大学在学中に一年間休学し、サンフランシスコベイエリアでのスタートアップで勤務する機会を得る。博士修得後再渡米し、ハーバード大学医学部にてポスドク(日本学術振興会海外特別研究員)。帰国後は徳島大学医学部大学院にて講師、助教授。抗原受容体の多様性形成メカニズムに関する研究を行う。2003年に再々渡米しバイオテックに再就職してからは、一貫して抗体医薬の研究開発に携わる。その後度重なる企業買収や分裂を経て、現在は大手製薬会社AbbVieにてマルチスペシフィック抗体部門のグローバルリーダーとして西海岸と東海岸のチームを率いている。2017年よりJapan Bio Community代表。





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