英語力0からアメリカで大学教員になる

最終更新: 4月3日

ペンシルベニア州立大学

岩月 猛泰


はじめに

スポーツ心理学やスポーツ・健康科学が専門の岩月猛泰(いわつきたけひろ)です。この文章を読む皆さまは、私よりも学力・英語力がずっと高いことでしょう。私は、高校・大学とスポーツ推薦で進学してテニスをしただけで、大学を卒業した時の成績は2.1でした。学力・英語力は低いけど、やる気があった学生とでも思ってください。私は、TOEFLが23点で2011年から留学をしました。英語学校から留学をスタートして、大学生として1学期、大学院は補助学生として働き、修士号と博士号を取ることができました。2018年からペンシルベニア州立大学(アルトゥーナ校)の助教として活動しています。私の留学経験が、少しでも皆さまの参考になれば嬉しいです。


留学のきっかけ

日本で修士課程に進んだことが、きっかけの1つになります。修士課程に在籍中、「大学教員になりたい」と思うようになりました。英語力を伸ばしたい。最先端のアメリカでスポーツ心理学を勉強したい。博士号を取りたい。そして、日本の博士課程に進学するのをやめました。英語が全くできなかったため、先が何も見えませんでしたが、留学したい気持ちは強くなりました。留学したいという思いでTOEFLを受けてから、半年以内に留学すると決心してから、渡米するまで一瞬でした。


留学生活の1年目(2011年-2012年)

英語学校の授業のレベルは低く、「週末は何をしますか?」というような英会話を学びます。博士号を取って、将来は大学の先生になる夢があまりにも遠く感じたことがよくありました。半年で、大学に進学できる英語力を身につけ、大学の授業を取り(1学期間)、全ての授業で合格できたので、修士課程への進学が決まりました。ここまで1年かかりましたが、振り返るとこの1年は先が見みえず、焦りが一番あった留学期間でした。


スポーツ心理学の学会に参加。左から友人、指導教官、筆者


修士課程(2012年-2014年)

スポーツ心理学を学ぶことは、刺激的でした。アメリカの修士課程では、あらゆる先生のスポーツ心理学の授業を取ることができました。大学院生として、2学期目から大学院補助として学費と生活費を負担してもらえる男子テニス部のコーチの仕事に就くことができました。金銭的な負担がなくなり、この時から気持ちにゆとりができたのを覚えています。また、卒業後は、男女テニス部の総監督として働くことができたことも、良い経験となりました。学業は、英語力が低かったため、宿題や勉強には多くの時間を費やしました。


博士課程へ進学するため、いろんな大学を探しました。多くの論文を読みあさり、有名な教員を多く見つけ、誰が博士課程の学生を受け入れているのか、多くの教員に連絡を取って聞きました。その中でも、スポーツ心理学の学会の会長をされていた有名な先生の下で、研究活動をしたいと思うようになりました。1年以上の間、その先生と連絡を取り、信頼を勝ち取ることができて博士課程の合格が決まりました。最後に、大学院で最優秀の学生として表彰してもらい、学業で初めて頂いた賞に驚きました。


博士課程(2015年-2018年)

今までの人生で、一番忙しい充実した3年間でした。4年のプログラムを早く教員をやりたい一心で、3年にできたことからも迷わず充実していたと伝えられるのだろうと思います。有名な研究者である教員から、本当に多くのことを学ぶことができました。研究アシスタントとして働き、1人で2つの授業を教えたことが、仕事を取るために役立ちました。研究者としての基礎を叩き込んでもらった博士課程でした。博士課程の2年目から、「アメリカで大学の先生をしたい」と思うようになりました。以前から、日本で教員をするにも「研究論文は多いほうがいい」ということは知っていました。修士課程の頃から、論文を書いていて、さらに論文を増やすために研究したいと、やる気になりました。仕事を応募するまでに、修士課程の頃から合わせて合計9本の査読付きの研究論文を書けたことが、結果としてAssistant Professorの仕事につながりました。


博士課程の3年目は、「博士論文を終わらせる」「アメリカで仕事を取る」の2つを毎日のように考えていました。仕事を取るためにプレゼンテーションや面接の練習もよくやっていました。30以上の大学に応募し、10大学から面接を頂くことができました。ペンシルベニア州立大学の仕事のオファーを頂き、働きたい大学の上位だったので、あまり迷うことなく仕事を引き受けることを決めました。


日本の大学での外部講師にて


助教での生活(2018年-)

日本と比べ、准教授に上がれず、いわばクビになる確率は高いですが、やる事をやれば認めてもらえる実力主義のアメリカが好きです。研究のデータを一気にとる。研究論文を書くときには、一気に書く。授業を教える。空いた時間でYouTubeを更新する。自分の時間を自分で決めることのできるこの仕事は、ありがたいです。


研究の業績を伸ばす時期ですが、大学が夏休みの3ヶ月と冬休みの1ヶ月は、大学に行く必要がありません。そのおかげで2019年は、日本の16大学で外部講師として教員・大学院生・研究員の方々や、大学生へ外部講師としてお話しする機会を頂き、充実していました。単純に、本当に楽しかったです。大阪大学、名古屋大学、筑波大学、慶應大学や日本体育大学など、あらゆる大学での講演から日本の大学についても学べ、今後もこの活動は続けていきたいです。


最後に

留学に迷っている方。海外で研究をしたいと思っている方。動き出したいけどなかなか考えすぎて動けない方。そんな方の足が、私の文章を読んで、少しでも軽くなりましたら嬉しいです。こんな学力や英語力が低い人が海外で教員になれるのであれば、皆さまもなれる・就職できるような気になりませんか?人生の終わりに多くの人がこんな事を言うそうです。「あの時、〇〇しておけばよかった」と。失敗しても、「あの時、〇〇しなければよかった」という後悔は、ほとんど残らないそうです。私の今までの人生で、一番恐ろしかったけど、一番良かった決断は、アメリカ留学でした。人生が大きく変わりました。皆さまが皆さまの望む夢に向かって、前に歩き出していただけると嬉しいです。「夢を今日から目標に変えて、前に進まれてください」と、スポーツ心理学者としてお伝えさせていただきます。留学と研究論文の話もしている「イワツキ大学(YouTube)」で、皆さまとお話しできるのを楽しみにしています。


著者略歴

岩月 猛泰。2009年日本大学文理学部体育学科卒業。2011年日本大学大学院文学研究科修士号取得。2014年Springfield College心理学学部で修士号取得。2018年University of Nevada, Las Vegas運動学学部で博士号取得。2018年よりThe Pennsylvania State University, Altoona College運動学学部で助教(Tenure-Track Assistant Professor)。YouTube「イワツキ大学」でアメリカ留学と研究論文に関する内容を投稿している。連絡先:info@hiroiwatsuki.com HP:https://hiroiwatsuki.com/

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