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Japan X US Science Forum 2018 in Midwest

更新日:2020年5月5日

開催日:11月3日(土) 3-7PM

開催地: Cincinnati Children’s Hospital Medical Center Cincinnati Children's Hospital Burnet Campus (T building 8F Room334) (Address)3333 Burnet Ave, Cincinnati, OH 45229


Japan X US Science Forum (UJA Midwest Conference) はアメリカ中西部の日本人研究者コミュニティを繋ぐイベントとして2016年にオハイオ州シンシナティで始まりました。州の垣根を取り払い、研究者の交流や共同研究を促進する場を提供するとともに、若手研究者の最新成果を発表し、お互いに研鑽することをコンセプトとして行っています。

今年はシンシナティでの開催となり、シンシナティ大学、シンシナティ小児病院医療センターの研究者のほか、インディアナ、ミシガンから集まり、大きなイベントとなりました。

口頭発表、ポスター発表ともに、いずれの研究内容も非常に質の高いもので、すでにトップジャーナルに掲載されるなど高い評価を受けていました。そのため、十分な質疑応答の時間を設けましたが、それでも足らないほどに議論が盛り上がりました。また専門分野を問わず研究者が集るため、他分野への応用性の高い技術を提案したり、新たなコラボレーションがこの会を通じて生まれたりするなど、参加者にとって刺激になる場となりました。

素晴らしい発表をされた若手研究者にはPresentation awardとして表彰盾が授与され、最も高い評価を受けた村上知行博士(ミシガン大学)には副賞が授与されました(協賛 インディアナ日本人会)。 今後とも若手研究者の研究交流と情報発信、また表彰の場としてUJAはこのイベントを継続していきます。


プログラム: 1. 受付およびポスターセッション 2. 開会の挨拶および日本人研究者コミュニティの活動紹介 (開会の挨拶: 佐々木敦朗 先生) 3. 研究発表 3名 4. 受賞者および発表者への記念品の贈呈、記念撮影、スポンサー紹介 5. 次回開催の代表者の挨拶(ミシガン金曜会 渡瀬成治 先生) 6. 閉会の挨拶(河野龍義 先生) 7. 記念写真撮影 8. 懇親会: 大学付近のホテル(Marriot)内のレストラン(Bearcat lounge)


口頭発表演題: 村上知行 先生(ミシガン大学) (タイトル)ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)の感染・伝播に及ぼすfibroblastic reticular細胞の影響の解析 後天性免疫不全症候群 (AIDS)の原因ウイルスであるHIV-1の感染・伝搬における新規経路を同定されました。二次リンパ節の間質に存在するFibroblastic reticular cells (FRCs) がHIV-1ウイルス粒子をキャプチャーし、T細胞への感染を促進することを明らかにし、さらにこの機構は、FRCsの細胞膜上に発現するCD44とヒアルロン酸の相互作用によって生じることも突き止めていました。発表を通して、重篤な免疫疾患であるAIDSの感染・伝搬に関する機構を分子生物学的な観点から説明し、医療応用への期待が寄せられました。


波戸岳 先生(Indiana University School of Medicine) (タイトル)敗血症による翻訳停止メカニズムとその応用 敗血症性急性腎障害 (AKI) の発症メカニズムを、マウスモデルを使用して明らかにされました。細菌感染によって生じるAKIは、腎臓尿細管細胞におけるEIF2AK2 (真核生物翻訳開始因子2α-キナーゼ) による抑制的リン酸化を介した遺伝子翻訳阻害に起因することを突き止め、病態モデルマウスへのISRIB (統合的ストレス応答阻害剤) の投与が腎機能を改善させるという治療モデルも提案されていました。この発症メカニズムの解明は将来的にAKIの早期診断や治療に貢献する極めて有用な研究であると考えられました。


岩渕真木子 先生(シンシナティ小児病院医療センター) (タイトル)細胞運命を司るパイオニア転写因子FoxAのクロマチン制御機構 凝集したクロマチンのリモデリングを介し、細胞の運命決定を制御する特別な転写因子”パイオニア転写因子”について明瞭に説明して下さいました。パイオニア転写因子であるFOXAタンパク質は、クロマチン上のリンカーヒストン H1を取り外すし、その遺伝子座のアクセシビリティを増加させることで細胞特異的な転写因子の結合を誘起することを同定されました。また、これらのパイオニア転写因子が将来的な創薬のターゲットとなることも示され、再生医療や癌治療に役立つ応用性の高い素晴らしい研究だと考えられました。


ポスター演題:いずれのポスターも非常に興味深い内容が示されており、多くの質疑応答が行われました。 伊神香菜子 先生 (ミシガン大学) (タイトル)マウス発生過程における生殖細胞の合胞体形成と合胞体断片化パターンの解析

渡瀬成治 先生(ミシガン大学生命科学研究所/HHMI) (タイトル)雄ショウジョウバエの生殖幹細胞が非対称分裂する際に見られる選択的姉妹染色分体の分配とその生物学的意義

橘高瑞穂 先生(Indiana University School of Dentistry) (タイトル)cFos欠損チェルビズムマウスにおける破骨細胞に依存しない骨破壊はMMP14発現マクロファージが起こす

坂下陽彦 先生(シンシナティ小児病院医療センター) (タイトル)生殖系列における内因性レトロウイルスを介した遺伝子発現制御機構

合田忠弘 先生(シンシナティ小児病院医療センター) (タイトル)カルシトニン受容体はショウジョウバエとマウスでの体温リズム調節に関与する


Presentation Award:  Tomoyuki Murakami, Hitoshi Hato, Makiko Iwafuchi-Doi, Kanako Ikami, Watase Jyoji, Mizuho Kittaka, Akihiko Sakashita and Tadahiro Goda.

Travel Award: Tomoyuki Murakami


Chair: Tatsuyoshi Kono/Vice: Atsuo Sasaki

Organizer: Yujiro Umezaki, Akihiko Sakashita and Shizu Aikawa (UC-Tomorrow)

Co-organizer: Maiko Omi, Takeshi Onishi, Kazuki Imasato and Jun Ishihara

主催団体:UJA, INDY Tomorrow, UC Tomorrow, ミシガン金曜会

協賛:インディアナ州日本人会(IJC)



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