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UJA留学のすゝめ2023 x 第96回日本生化学会大会 「日本の科学技術を推進するネットワークの構築」開催報告

鶴嶋真紅(UJAプロジェクトマネージャー/福岡工業大学 大学院 )

江島弘晃(UJA学術企画/長崎国際大学)

赤木紀之(UJA学術企画/UJA理事/福岡工業大学)

doi:10.34536/finding_our_way_011


海外日本人研究者ネットワークUJAでは、さまざまな学会開催に合わせて、大学院生や若手研究者向けに留学促進イベントである「留学のすゝめ」を開催しています。私たちは2023年10月31日から11月2日の期間に福岡国際会議場で開催された第96回日本生化学会大会にて、シンポジウムとして「UJA留学のすゝめ2023 -日本の科学技術を推進するネットワークの構築-」を開催しました。生化学会での「留学のすゝめ」は、2018年に第1回目となるシンポジウムを開催し今回は第2回目となります。


生化学会での「留学のすゝめ」は11月1日(水)の17:00-19:10の枠で開催しました。会場には50名近くの皆様にお集まり頂きました。コロナ禍が続き、長らくオンラインもしくはハイブリッド開催の「留学のすゝめ」でしたが、今回は完全対面式で実施することができました。演者には大学院生から大学教員/研究者まで、多岐にわたるキャリアステージの方々にご講演をお願い致しました。


まず始めにUJA理事で座長の赤木紀之(福岡工業大学)から、本シンポジウムの趣旨を述べました。その後、UJAプロジェクトマネージャーの鶴嶋真紅(福岡工業大学大学院)からUJAの紹介が行われました。


講演では、まずは川又理樹さん(九州大学)から「家族留学」というタイトルで講演され、留学のコツ、家族の存在についてお話しいただきました。留学のコツとして、論文をできるだけ多く書くこと、留学の助成金を獲得することがあるそうです。助成金が留学先での給料となり、留学先に受け入れてもらいやすくなるようです。奥様は積極的にボランティア活動に参加するなどし、外国での生活を家族一緒に楽しめたことも良い留学となった一つの理由とのことでした。


前田龍成さん(熊本大学)からは「研究への価値観を変えた、修士課程でのフランス留学」というタイトルで、研究指導として留学された経験のお話をしていただきました。語学力に自信が無くても、現地の言葉で挨拶を自分から行う、関係者の名前などを覚えるなどし、積極的に話しかけて自発的なアクションを起こすことが良い関係性を築く上で大切だったそうです。


佐藤友紀さん(静岡県立大学)です。「アメリカで最も安全な街アーバインでの留学生活」というタイトルでお話しいただきました。やはり、留学生活では助成金の存在は大切であるとのことでした。また、スムーズな留学生活のために、アメリカで持つべき銀行口座(UNION BANK)やオンラインコミュニティーを探してみるなど知っておくと良い情報盛りだくさんでお話しくださいました。


佐藤大輔さん(横浜国立大学)には「“due to COVID-19” - アメリカでのポスドク生活」というタイトルでお話しいただきました。職探しとして、海外求人や論文から受け入れ先を探されたそうです。また海外での生活を通し、自信と共に意思を「伝える力•伝わる力」がついたそうです。単純な英語力の部分ではない、より大切な意思表示の部分が鍛えられるのは留学でしかなかなか得られないものだと再認識されるお話しをいただきました。


土屋吉史さん(同志社大学)には「研究留学という働き方改革」というタイトルでデンマークでの留学経験についてお話し頂きました。留学先では、デンマーク人の高いアクティビティに驚きと発見があったそうです。グループの壁を超えた高いコミュニティー能力、基礎から臨床までもカバーした質の高いミーティングを行うなどのラボ運営が特徴的だったそうです。


稲葉理美さん(高エネルギー加速器研究機構)からは「留学先で築いた研究者ネットワークを活かしてキャリアアップ」というタイトルでお話しいただきました。国内外の研究者のネットワークの構築を目的に、我々海外日本人研究者ネットワーク(UJA)について言及しながら、稲葉さんご自身のキャリアを紹介していただきました。大学院生や若手研究者に対してもわかりやすいように、具体的な例を示しながら紹介していただきました。

 

全ての講演が終わったのちに、パネルディスカッション形式で会場からの質疑応答が行われました。海外での食事の面(口にあったか、日本食を得られたか、など)から留学の面での不安ごとについてなどざっくばらんに質問が飛び交いました。時おり笑いも起き、終始和やかな雰囲気で質疑応答が行われました。





シンポジウム終了後は、演者の皆さまと一緒に懇親会を開催しました。「留学のすゝめ」に参加されていた学生さんの中には「ぜひ懇親会に参加させて頂きたい」という方もおられ、飛び入りでもご参加頂きました。この懇親会では、まだ研究を始めていない学部3年生の方から、国内外で活躍されている先生との年代、所属を超えた交流が行われました。学生にとって様々な知見に触れ、研究や留学へのモチベーションが上がるような情報交換がなされました。懇親会中は食事を楽しみながらプライベートな話やちょっとした悩み相談など和気あいあいとした会となりました。






ここ数年、コロナ禍で様々な活動が制限されていました。2023年あたりから、徐々に行動制限も緩和され、COVID-19との共存への道が見えてきているところです。UJAの活動を通して、若手の海外留学が促進され、日本の国際競争力の強化に少しでも貢献できればと考えております。演者の皆さま、学会関係者の皆さま、ご協力ありがとうございました。


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