【COVID-19クライシス#10】渡邉 美佳(イタリア・トリノ大学)

最終更新: 5月26日

執筆者:渡邉 美佳 執筆日:2020年5月1日 国名:イタリア 所属:トリノ大学、Molecular Biotechnology Center トピック:研究室運営、海外生活


私は現在トリノ大学にてポスドクとして、皮膚創傷治癒における幹細胞可塑性の役割解明をテーマに研究生活を送っています。今回の新型コロナウィルスの影響をうけて、イタリア全土封鎖となったのは3月10日からでしたが、私の勤務先のトリノ大学(ピエモンテ州)ではその2週間ほど前から、ラボへの出勤をできるだけ減らすようにとの通知がありました。私の実験は主にマウスを使っており、長期でのインターベンションを伴うものもあったため、全土封鎖前は週に3回程度、3−4時間のみマウスの実験のために出勤していました。しかし、全土封鎖後は、研究所内での実験そのものはほぼ禁じられ、マウスなどの実験生物のメンテンナンスのみ許可制で行われるようになりました。研究所内にいる人数を減らすため、曜日や時間等も前の週に所長に申請し書類を記入し、時間を調整してから、という形になりました。また、同じプロジェクトに参加しているラボメンバーとは基本的には電話もしくはスカイプなどオンラインで話し合い、ボスとは1週間に1−2回の頻度でスカイプミーティングを行っています。私自身の実験は基本的に全て止まっている状態ですが、今は皆が同じ状況であることから諦めの境地にあります。遅々として進みませんが、自宅では論文を書いたり、読んだり、調べ物をしています。

北イタリアは特に激しくこのウィルスの影響を受けており、大学関連の病院もまるごと新型コロナウィルス専門病院となっています。また、PCR検査を拡充するために、私のいる研究所内でも新規テストキットのバリデーションを行っており、官民あげてこの危機に協力しているように思われました。今後は、抗体検査などについても、協力を行っていくようです。

生活面については、基本的にスーパーや薬局に行く以外は全ての活動を禁止されています。家族以外の人と会うことも、基本的に禁じられています。また、屋外での運動も当初はジョギング等認められていましたが、現在は基本的に軽い散歩のみで、公園も封鎖されています。どうしても移動しなければいけない場合は、外出許可証というものに記載し、傾向することが求められており、違反すると罰金が課せられます。

私自身は、週に1−2回スーパーに行くのみです。友人とも会えない、食事も一緒にできない状況というのは、やはり精神的には堪えるものがあります。オンラインで積極的に連絡を取り合って、誰かと話すという状況を作らないと、精神衛生が維持できないように感じています。

このような状況に直面するのは、誰もが初めてのことと思いますが、これをきっかけに今までの自分の生活のありがたみを非常に感じています。また、このような危機的な状況の中でも助け合える友人の大切さも感じています。今回のことを乗り越えた先には、もっと良い未来が待っていると信じて、今は耐え抜くのみと思います。 【トップに戻る】

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