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【COVID-19クライシス#22】河島 友和(アメリカ・ケンタッキー大学)

更新日:2021年2月15日

執筆者:河島 友和

執筆日:2020年7月7日

国名:アメリカ

所属:ケンタッキー大学

トピック:研究室運営、大学授業

doi: 10.34536/covid19-024


COVID-19の影響に関しては、ケンタッキー大学でも皆様の投稿と同じように、3月中旬から研究が制限され、授業やミーティングは完全オンライン、またソーシャルディスタンシングの励行やマスクの着用などが始まりました。


私の研究室が入っている建物ではまず大学生の入館が禁止されました。PIやポスドク、大学院生、テクニシャンに関しては、原則在宅勤務となりましたが、申請をすることで入館することができ、研究もあまり問題なく行える状態でした。私自身3月以降もほぼ毎日自分のオフィスで仕事をしています。大学や学部、学科からの指導のもと、いわゆるニューノーマルに対応し、共用スペースを頻繁に消毒すればよいというものです。別段ケンタッキー州がCOVID-19の封じ込めに成功しているわけではないので、他の方々の記事を読みまして、大学でも州によってこんなに違うということを改めて実感しています。もちろん、今でも在宅勤務が推奨されていますが、実験に関しては少しペースが落ちたかなというくらいです。特にポスドクに関しては、雇用期間が研究費で決まってしまっているので、最優先で働けるよう考慮しました。


インドや日本からの留学生がこの秋に来る予定でしたが、ビザが取れない状況です。海外にいる新入生に対し、オンラインで授業をしようと大学院側は考えているようですが、実際に手足を動かして実験しなくてはいけないような研究室の場合はどうしたものかと悩まざるを得ません。また、トランプ大統領の「100%オンライン授業による留学生のアメリカ滞在を認めない」という報道がありましたので、どうなるか全くわからない状況です。残念ながら、留学生が渡米できる日は間違いなく遅れます。


秋からの大学生への授業は、大学側から「どのような形態で教えたいか」のアンケート調査があり、教室で実際に行うものや、完全オンライン、または教室とオンラインのハイブリッドを選択できました。私は約60人規模の授業を担当しており、教室で行うものを選びました。教室に入れる生徒数もソーシャルディスタンシングを考慮した本来の1/3を上限に設定されています。マスクをつけたままの授業になると思いますので、どのような感じになるのかはやってみないとわからないというのが本音です。ただ、現在のCOVID-19の状況から実際に教室でできるのかはまだ不明です。大学としては学生にキャンパスに戻ってきてもらうことを前提に話を進めている感じがします。オンライン授業ですと、他大学でもっと安く単位が取れることもあり、学生数が減ってしまう懸念もあります。やはり金銭的なものも関わってくるようで、大学もなかなか頭を痛めているようです。


もう7月なのですが、まだまだCOVID-19の収束も見えず、不確定要素が多すぎます。皆様どうぞご自愛ください。


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